【コラム第102回】 ソチ・オリンピックを振り返って

 たくさんの感動を与えてくれたソチ五輪が幕を閉じました。男子フィギュアの羽生選手の金メダル、ジャンプ日本の底力を示した男子団体の銅メダルなど、日本の代表選手は本当に良く頑張ったと思います。
 スポーツの大きな効用の一つが、心を揺さぶる感動をもたらしてくれることだと思います。人間の限界に挑戦するトップアスリートたちの魂に、私たちを浄化し鼓舞してくれるなにかを感ぜずにおれません。
 世界に大きな驚きと感動をもたらした浅田真央選手の演技には、私も涙が止まりませんでした。全く予想しなかったショートプログラムでの演技。日本中で悲鳴が上がりました。しかし真央さんは日本の、そして世界の人達の声援を受けてフリーに臨み、これがフィギュア・スケートの真髄だという最高の演技を見せてくれました。持てる力を精いっぱい出しきることにこそ、オリンピックの価値がある。それを、この演技は示してくれました。
 真央さんはソチの最後を締めくくったエキシビジョンで、「スマイル」と「この素晴らしき世界」を選曲。つらい時も笑顔でいることの大切さ、持てる力を出し切った後に訪れる笑顔の価値を世界にメッセージし、アスリートの祭典は幕を下ろしました。
 新潟県勢も頑張ってくれました。フリースタイルスキー女子ハーフパイプで、小野塚彩那選手が女子としては県勢初のメダルとなる銅メダルを獲得。また、スノーボード男子ハーフパイプでは、村上市の中学生、平野歩夢選手が銀メダルを。男子ジャンプ団体で、妙高市出身の清水礼留飛選手が銅メダルを獲得しました。
 今回日本選手の獲得したメダル8個のうち、じつに3個を県勢が獲得したのですから素晴らしいことです。チームアルビレックス新潟に所属している藤森由香選手は、残念ながら準決勝進出はなりませんでしたが、再チャレンジを期待したいと思います。
 新潟県出身で元チームアルビレックス新潟の皆川賢太郎さんは、残念ながら今回代表入りすることができませんでした。しかしその夫人でモーグル選手の上村愛子さんは、4位の大健闘。「ベストを尽くせて清々しい気持ちです。」と語っていたのが印象的でした。
 スポーツの持つ力を改めて確認することのできた、素晴らしいオリンピック。感動の17日間でした。

池田 弘