【コラム113】地方創生、その主役は「民」

「まち・ひと・しごと創生会議」の誕生は、個性ある地方の活性化こそが日本を救うと訴え続けてきた私にとって、まさに我が意を得たりでありました。有識者議員として活動して行く中で、改めて日本をどう活性化していったらよいのかについて考え、発言する機会も増えました。

中央集権の仕組みの中行政主導で行われてきたのが、これまでの日本の地域振興でした。その主たる中身は土木事業を中心とした公共事業か、あるいは大企業の工場の誘致などの従来型の振興策です。地域の中から担い手を育成するという発想も仕組みも乏しいものでした。
こうした地域振興策では、もはや今の日本が直面している問題を解決することはできません。一段と進むグローバル化とIT技術の進歩の中、これまでとは違う次元の施策が求められていると思います。
中央政府に権限と財源を集中させても、もはや経済成長は難しくなっています。まち・ひと・しごと創生本部で検討しているのは、そうした状況をいかに打破して行くかです。その一つの答えが、地域の民が担い手となって地域振興にあたり、行政がそれをサポートするという形だと思います。

一方、地方の方に求められていることとして、まずあげたいのは「自立」です。これまでもある程度の裁量権はありましたが、それは国が示したメニューからどれを選ぶか、といった程度のものに過ぎませんでした。
このような枠組みにとらわれず、自分たちで考えたことを国の支援を仰ぎつつも自分たちの力で実現するのが、地方創生のあるべき姿ではないでしょうか。
地域の自立を考える時に忘れてならないのは、地域の主役は地方自治体ではなく「民」であるべきだということです。もともと行政機関というのは、新しいプロジェクトをやるのに適していません。地域振興における役割としての主役はあくまで最前線で活動する「民」で、行政はサポート役に徹するのが理想的です。

まち・ひと・しごと創生本部の有識者会議の議員に就任したのは、考えをまとめクリアーにするために、とても良い機会となりました。批判するだけではなく自ら案を出していくというのは、地方が自立するために不可欠な姿勢でもあります。私はこれからもそのことを肝に銘じて取り組んでまいりたいと考えております。                         〆