【コラム130】新潟医療福祉大学の新潟県への経済効果は105億円

私が総長・理事長を務める新潟医療福祉大学は、2001年4月に2学部5学科で開学し、今年3月に節目となる開学15年目を終えました。新潟医療福祉大学は高度化、複雑化するニーズに対応できる保健・医療・福祉・スポーツ分野の高度専門職者を養成するとともに、研究や社会貢献活動を通じて、同分野のサービス向上に貢献するべく取り組んでいます。

新潟医療福祉大学は社会のニーズに応え学部学科・大学院を拡充し、現在は4学部11学科、1研究科を設置し約4,000人の学生が学んでいます。これまでに6,325名の卒業生を送り出し、卒業生は保健・医療・福祉・スポーツの分野を中心に地域社会で活躍しています。

新潟医療福祉大学は15年という節目の年度を終え、大学が新潟県に対して経済的にどれだけ貢献しているかを把握することを目的として、大学の立地により発生した需要が地域経済に及ぼす影響を示す「経済波及効果」の算定を行いました。(算定業務は新潟経済社会リサーチセンターに委託)

平成27年度の実績を基にした推計の結果、「新潟医療福祉大学の新潟県に及ぼす経済波及効果」は105億1800万円となりました。大学の教育・研究活動の県内消費額は13億6300万円、4000人を超える教職員・学生が生活することによる県内消費額は41億6000万円、校舎など施設整備の県内消費額が11億円、公開講座やオープンキャンパスなどその他の活動で発生する県内消費額が2億8300万円、それらを合計した大学が立地し新潟県内で財やサービスを消費することで直接的に生む「直接効果」は69億600万円でした。また、直接効果で生じた需要は、他産業に波及し「間接効果」として36億1200万円の需要を誘発すると算出されました。

算定の結果、新潟医療福祉大学が行う様々な活動は、新潟県に対して大きな経済効果をもたらしていることが明らかになりました。人材育成や研究活動などで地域に貢献するだけではなく、経済的な面においても大学が大きく貢献していることが数値で示され、大学の社会的使命の大きさを改めて認識する機会となりました。

この度算出された経済波及効果は平成27年度の実績に基づいたものですが、新潟医療福祉大学は長期目標に5,000名規模の大学とすることを掲げています。また、新潟医療福祉大学の隣接地(新潟市北区)と胎内市にキャンパスを設ける「新潟食料農業大学(仮称)」の設置構想(平成30年4月開学予定)もあります。

この度の結果を踏まえ、今後も地域社会のニーズに合った質の高い教育・研究活動を推進し、ますます地域社会の発展に貢献できるよう努めて参ります。                  〆