【コラム135】食を通して世界貢献「食の新潟国際賞」

11月9日(水)、佐野藤三郎記念「食の新潟国際賞」の表彰式が新潟市中央区朱鷺メッセで行われました。この賞は、世界の食における課題に先進的に取り組み、貢献を果たした業績を顕彰する、新潟で創設された日本唯一の食分野の国際賞です。

新潟市は豊かな自然に恵まれた日本有数の美田が広がりますが、かつては腰までつかる湿地でした。元亀田郷土地改良区理事長の佐野藤三郎氏をはじめとした先人たちが、不屈の精神で水と土との壮絶な戦いに挑み、沼地を日本有数の豊かな農地に変貌させ、新潟の食料生産や食品産業を大きく発展させました。また、佐野氏はこれらの経験をもとに中国三江平原の農業開発プロジェクトで指導的役割を果たし、その功績が高く評価されています。「食の新潟国際賞」は、そうした食の新潟の礎を築いた先人の志を継承することと、世界への貢献を目的として創設されました。この賞を主催するのは(公財)食の新潟国際賞財団です。2009年に新潟市や県内食品産業界など産官学の関係者により創設され、昨年から私が理事長を務めています。

表彰は2年に一度行われ、今回で4回目となりました。今年7月29日(金)に東京都千代田区の日本プレスセンタービルで受賞者の発表を行い、この度「食の新潟国際賞」の表彰式と、受賞者による記念講演を「食と花の世界フォーラムにいがた2016」の一環として行いました。このフォーラムは、「食の新潟国際賞」と食の国際シンポジウムである「フードフォーカスinにいがた」、本州日本海側最大規模の食の国際見本市「フードメッセinにいがた」を総合的に展開するもので、新潟市が誇る食と花の魅力と個性を国内外に発信する機会です。

国際賞には「本賞」「佐野藤三郎特別賞」「21世紀希望賞」の3つの部門が設けられ、この度4名の方が受賞しました。

「本賞」は国際的に顕著な成果を上げた人と活動を対象とするもので、国際農林水産業研究センター理事長の岩永勝氏が受賞しました。岩永氏は生物資源の保存活用研究に従事し多くの業績を上げた方です。「国際とうもろこし・小麦改良センター(CIMMYT.メキシコ)」の所長を務め財政難の組織を再建するなど、海外の農業研究機関で30年近くに渡り活躍してきました。

「佐野藤三郎特別賞」は発展途上国の国際協力・支援を対象とし、農業・食品産業技術総合研究機構地域資源工学研究領域長の増本隆夫氏と国際農林水産業研究センター主任研究員のマーシー・ニコル・ワイルダー氏が受賞しました。

「21世紀希望賞」は将来的に世界貢献の可能性のある研究・活動を対象とし、農業・食品産業技術総合研究機構の宇賀優作氏が受賞しました。

この国際賞を通じて、世界の食における課題解決の実現に微力ながら貢献できればと強く思っております。また、国際賞によってもたらされる食に関する人材や組織のネットワークを活用し、最先端の情報を集積し、食品関連産業の発展を目的とした情報発信にも繋げていきたいと考えております。         〆