【コラム第48回】 世界のスポーツそしてアルビレックス

  私が塾長を務めている「未来塾」、4月は日本経済新聞社新潟支局の北川和徳支局長をゲスト講師にお招きし、「地域活性化と新潟アルビレックス」をテーマに開催いたしました。
  豊かな取材経験と見識をお持ちのジャーナリストであり、新潟へ赴任されて以降、いろいろと意見交換させていただいております。

 北川さんは1960年生まれですから、49歳。島根県のご出身で、早稲田大学の政経学部をご卒業後、日本経済新聞社に入社されました。
  ご経歴を拝見しますと、2年目からしばらく大阪社会部で警察やら裁判やらを担当されるいわゆるブンヤさんらしいクラブ回りを経験されたあと、東京本社の運動部で五輪、サッカー、野球とスポーツ取材で活躍されました。

  北川さんのご講演は予想通り、とても興味深いもので参加した塾生たちもとても得るところが大きかったと思います。簡単にその内容をご紹介しましょう。

  世界のスポーツが激変したのは、84年のロス五輪でした。テレビ放映権料の引き上げとスポンサーマネー、関連グッズ販売などによって、五輪というスポーツ大会が集金マシーン化したのです。
  オリンピックは、そしてスポーツは金を稼げることに皆が気づき、五輪はプロ選手にも解放され、アマチュアイズムはどこかに消えてしまいました。
  同じように商業化という意味合いで全く姿を変えたのが、イングランドのサッカーリーグです。古ぼけたスタジアムで試合をやっていたイングランドサッカーでしたが、従来のトップリーグの所属チームが全て離脱して誕生したのがプレミアムリーグです。
  このプレミアムリーグは、1992年にメディア王、マードック氏のBスカイBと5年で750億円の契約を結び、それ以降、スーパースターがキラ星のごとく集るようになり、リーグは繁栄しています。
 そんな世界スケールの話の中で、北川さんはアルビレックス新潟にとって多いに参考になるこんな考え方を披露してくれました。
 それはJリーグのチームは、マンUなど世界のビッグクラブとつながっているということです。今季の場合はJリーグで3位に入ればアジアチャンピオンズリーグの出場権を獲得できます。そこで優勝すれば、クラブワールドカップでビッグチームと戦えるチャンスがあると言うことです。浦和やG大阪にできるのだから、アルビレックスにとっても夢物語ではないでしょう。
 アルビレックスがそんなチームとなった時、新潟を世界にPRできるものすごいチャンスとなります。新潟という街に住んでいることを誰もが誇りに思うことでしょう。東京に出てゆく若者だって減るかもしれない。
 こんな面白い事実も教えてくれました。世界で一番観客の多かったスポーツの試合は、3億6000万人が見たプレミアリーグのエバートンVSマンチェスターシティのゲームだそうです。何故か?実は両チームに中国の選手がいて、13億人の中国人の多くがそれを見たからなのだそうです。
 巨大なビジネス価値を持つプレミアリーグと簡単に比較はできませんが、新潟も中国選手を呼べば、中国企業がスポンサーとして関心を持つかもしれない。また、新潟空港の利用率もアップするし、日本海側唯一の政令指定都市新潟の名前が中国で有名にもなる、こんなチャンスをサッカーはもたらしてくれるというわけです。
 アルビレックスと言う財産を持つ新潟は、世界にアピールするためにいろんな仕掛けができる、これが北川さんの考えです。
 北川さんのような多彩な視点を持つジャーナリストが新潟に赴任してきたことは、新潟にとってそしてもちろん私にとって大きな財産になったと感じています。
  これまで北川さんとは多くの貴重な意見交換を行ってまいりました。これから先も、長いお付き合をお願いしたい大切な友人です。

池田 弘