【コラム第41回】 道州制を考える

 今回のコラムは、日本の閉塞感を打破する起爆剤の一つとして大きな注目を集めている「道州制」を取上げたいと思います。
 道州制に関しては「地域主権型道州制を導入すべきである」という基本的な考え方を持っています。これは中途半端な分権では駄目だ、ということです。そのためにも、とかく区割り論が先行しがちな道州制ですが、「制度目的」や「制度設計」について十分な議論を行い、地域主権型の形にすることこそが重要であると考えています。
 
 これまでの中央集権制は深刻な制度疲労に陥り、地方では公共事業が半減して大変な不況に陥っています。
 140年前新潟は、人口180万人の日本一大きな県でした。中央集権によって人を出し、エネルギーや食料を出してきました。
 
 中央集権制度のもと、地方は人を出し、エネルギーや食料を供給してきました。確かにその見返りとして、中央から公共事業の予算配分を受け、徐々にインフラ整備を進めてきました。しかしその途上、国家予算のやりくりがつかなくなり、公共事業が半減するような状況に陥っているのです。
 そういう意味では税財源、ある種立法権、官僚を含めた人材の大幅な移動といった、いわば制度変更が前提であるというのが基本的な考えです。

 新潟は地理的・歴史的・文化的経緯から、東北・北陸・中部・北関東の各地域とつながりがあります。区割り案がいろいろ出ていますが、新潟はいつも邪魔者になっています。道州制ビジョン懇談会の区割り案では、東京特別区、大阪特別区というのがあり、「また大都市中心か」という感じを受けています。
 そうであれば、「新潟特別区」もありなのではないかという意見があります。新潟・福島案などはどうかといった案もあり、それぞれの長所・短所について、今議論しています。
 我々は日本海側の中心として特別な位置を占めているという自負を持っています。経済的な活性化を考える中で、新潟は発展著しいロシア、中国の東北3省や、韓国、北朝鮮などと近い地域特性があります。空港・港湾も擁する都市ですが、特定重要港湾に関して言えば、太平洋側には十いくつあるのに日本海側には1つもないのが現状です。大陸の国々が成長を続ける中、これからは日本海側の時代が訪れる、という前提を立てて考えるべきです。
 
 東京への一極集中が進む状況の何が問題なのでしょうか。中央集権のシステムで、確かに日本はこれだけの事を成し遂げてきました。しかしその一方で、地方は大変に疲弊しています。地方がほとんど潰れかかって活力がなくなるような状況が進んで、日本は本当に大丈夫なのでしょうか。
 各地域が活性化していろいろな文化が育ち、そこから多様な人材を出し、外国ともコミュニケーションをする。そういうバランスの取れた国つくりを、国のあり方として決意をしないといけないのではないでしょうか。
 日本の国の設計のあり方として、予算をもらうために財源を押さえている中央官僚に日参しなければならない現状を、変える決断しなければならないのではないでしょうか。
 
 アメリカでは、上場企業の70%以上が地方にありますが、日本は80%が東京を中心とした中央にあるのです。もし大企業が、人材も含め拠点の半分でも地方に分散したら、財源の問題の解決にもつながります。そういうことが、結果的に現状を抜本的に変え、矛盾を解決してゆく仕組みとなるのです。道州制については、多角的な視点から検討を進めてゆくことが肝要であり、様々な提言を行ってまいりたいと考えています。

池田 弘