【コラム第37回】 2008日本産学フォーラム国際シンポジウム新潟 

 5月11日から3日間、新潟市で主要国首脳会議労働相会合(G8労相会合)が開催されました。1869年の新潟開港以来、新潟に主要国閣僚がこれほどの規模で集う国際会議は初めてです。

 それに連動して、もうひとつ今までの新潟市では実現できなかったレベルの国際フォーラムが、新潟市、新潟県、地元経済界と共同して5月9日、10日に行われました。

 「2008日本産学フォーラム国際シンポジウム新潟」です。

 豊田章一郎トヨタ自動車株式会社名誉会長がプログラム委員長となり、世界の大学・企業・国際機関の世界トップクラスの頭脳が集結しました。

 近年特に中央と地方の格差が大きく開く中、地方都市で主要な大規模国際会議が行われた意義は大きく、国際都市を目指す新潟のひとつの転機になると期待するところです。

 さて、この「2008日本産学フォーラム国際シンポジウム新潟」ですが、『イノベーションを生み出す人づくりと社会的起業家精神~新たな時代への課題、人づくりと地域活性化』と題され、社会的起業家精神に関する基調講演と討論で構成される本会議とそれを受けての分科会で、視野の広い活発な論議が展開されました。

 基調講演の一つ目は、米国内での大学や産業界で行っている様々な研究・実験の支援をしているコーフマン財団のジュディス・コーン氏によるもの。同財団の取り組みや成果などを具体的に挙げ、若い人への意識付けが必要だと説明しました。

 二つ目は、米倉誠一郎一橋大学教授によるもので、日本に求められている社会的起業家精神についてとその必要性を説きました。

 その後の『~連携してのイノベーションを活性化するには~社会的起業家精神を通して』と題された第一分科会に、私は討論参加者として出席しました。

 主に起業家精神育成のため、大学をはじめとする高等教育機関が、いかなる役割を持つべきか、また今後何を期待されるかについて話し合いました。

 私は、以下のように発言させていただきました。

 「私は新潟で、地域活性化をテーマに、30年余専門学校と大学等の教育機関を運営し、地域で人を育て地域に若者が根付く努力をしてまいりました。近年は事業創造大学院大学を設置し、起業家育成にも注力し、いつか新潟を世界で最も活き活きした豊かな街にしたいという大きな目標を持って活動しております。」

 他の方々からは、産学官の連携により若者に大学などの高等教育機関で起業に関心を持たせることや、起業しやすい風土を熟成することに産学官の連携が不可欠である、などの意見が出されました。

 世界から集結した各界の代表的リーダーの方々とそれぞれの立場を越えた忌憚無い意見交換が行われた中で、世界中のいろいろな都市が時期的に同じような課題を抱えていることを実感しました。

 分科会報告で猪口孝中央大学教授が、イノベーションの活発化は、大都市でない新潟のような都市でやることが最も適切である、という趣旨の話をされました。私は、新潟の地域活性化のために起業家支援が重要であるということに確信を持ち、またそのための産学官連携に大学等高等教育機関がその鍵を握ることの認識を新たにしました。高等教育機関を運営するものとして、地元経済人として、今後も尽力していきたいと思います。

池田 弘