【コラム第34回】 第1回『新潟清酒達人検定』、いよいよ開催!!

 新潟といえば、皆様何を連想されますか?
「朱鷺」、「雪」、「スキー」、「米」、「アルビレックス」いろいろありますが、やはり「酒」は、欠かせないと思います。

 古くから越後杜氏といえば、日本三大杜氏の一つとして有名ですが、新潟県の杜氏数は今もなお全国第2位を誇るほど。全国清酒出荷数量でも全国第3位(2006年)ですし、品質においても、関東信越国税局主催の酒類鑑評会に新潟県の多くの蔵元が受賞を重ね、高い評価を受けています。
 これには、新潟清酒界の発展を目的として、官民一体となった研究開発・製造・販売・啓蒙活動を関係者の方々が地道に続けてこられたという背景があります。
 47都道府県唯一の公立醸造試験場である新潟県醸造試験場は、ノウハウやデータを県内の蔵元へ常に還元していますし、また、新潟県酒造組合は酒蔵の技術者育成のため、新潟清酒学校を開校しています。これもまた日本で唯一の清酒の学校です。
 こうして生まれる新潟の酒は、一言で言えば「淡麗辛口」。きれいで、すっきりして、あとに残らない、飲み飽きしません。

 しかし、この新潟の酒、奥が深く、種類が多いこともあって、酒好きな方、また新潟の方でも、意外と知らないことは多いのではないでしょうか。
 
 そんな新潟の酒を学べる検定、『新潟清酒達人検定』の第1回目が3月16日にいよいよ実施されます。
 この検定は、新潟清酒の知識を深め、その良さを発見、再発見、認識することによって、新潟清酒への興味、愛着をもっと持ってもらうことが目的です。平たくいうと、新潟の酒について熱く薀蓄を語る「達人」を増やそうというものです。

 この検定は、新潟県産業労働観光部産業振興課、および、新潟県醸造試験場、新潟県清酒研究会、新潟県酒造組合、さらに元醸造試験場長の嶋先生にもご参加いただき組織された準備委員会で検討され、その後関係者の方々のご尽力により、新潟県観光協会、新潟県旅館生活衛生同業組合、新潟県料理生活衛生同業組合、新潟県社交飲食業生活衛生同業組合、新潟県麺類業生活衛生同業組合、新潟県すし商生活衛生同業組合、新潟県小売酒販組合連合会、新潟県卸酒販組合、新潟県酒造組合の9団体から組織された『新潟県清酒達人検定協会』(2007年秋発足)よって、開催される運びになりました。
 発足時、「新潟のために一肌脱いでいただきたい。」と、『新潟県清酒達人検定協会』の会長職を私は、お願いされました。
 ご専門の方々が多くいらっしゃる中、新潟の酒の1ファンに過ぎない私が、お引き受けすることにためらいを感じました。しかし設立趣旨をお聞きし、この検定は新潟清酒のすばらしさを世界中、そして後世に伝え、新潟の食文化、新潟県自体をアピールするために重要な役割を果たしていけると感じ、少しでもお力になれればと、お引き受けすることにしました。

 この検定によって新潟の酒の達人が継続的に生まれていくことで、新潟清酒の愛飲者や、新潟の食文化、新潟全体を深く理解する人が増えることも期待していますし、「なぜ新潟の酒は美味しいのか? なぜ品質が高いのか? どんな蔵があるのか? 」といった疑問に的確に答える達人が、観光拠点の最先端の現場で活躍してくだされば、新潟を訪れる人の増加にも繋がっていくと信じます。
 今後、年に1回予定しており、今回は、「銅の達人」(3級相当)のみの実施ですが、来年以降に2級、1級に相当する「銀の達人」「金の達人」も実施する予定にしています。公式テキストブックも発売済みです。
 合格者の方には、「達人の集い」など蔵元とのふれあいの場も予定されていて、継続的に、酒に親しみ、酒を学んでいただく仕組みになっています。

 今年の受験申込みは既に終了していますが、申込みを逃した方、新潟の酒に興味のある方には、試験当日の会場の朱鷺メッセで、毎年恒例の「にいがた酒の陣2008」(3月15-16日)も行われていますので、新潟の酒を味わって理解していただくには絶好の機会と思います。
 試飲販売している新潟県内蔵元の銘酒が500種以上とあって、来場者数6万人を超えるこのイベント、今年の目玉は、究極の酒米「越淡麗」で仕込んだ大吟醸酒。そのほか、「にいがた 冬 食の陣」とのタイアップにより新潟の食を満喫できる料理の販売や、お米から新酒の誕生までを再現した「巨大蔵元」などさまざまな催しが行われるほか、同時に「にいがた米の陣」の開催も予定されています。
 新潟の酒を知るには、絶好の機会です。ぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。

 新潟の酒は全国に誇る「新潟の宝」、「新潟の誇り」です。皆さんもぜひ、新潟清酒通を目指してみませんか。

 新潟清酒達人検定協会    http://niigata-sake.or.jp/torikumi/kentei/youkou.html
 新潟酒の陣           http://niigata-sake.or.jp/torikumi/sakenojin/

池田 弘