【コラム第31回】 エンジン01文化戦略会議オープンカレッジin新潟

 『新型、新潟。~笑いをテーマに、新潟から日本を明るく。~』
 この楽しく、創造的なコピーのもと、「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議オープンカレッジ in新潟」が、11月16日から18日まで行われました。
 文化、芸術、教育、医療など各界の第一人者約100人が講師として新潟市に結集し、昼は朱鷺メッセでパネルディスカッションを中心とした約40の講座を開講、夜は『夜楽』と銘打った課外授業で新潟市内の飲食店22ヶ所を教室に一般参加者と膝を交えて語り合いました。
 今回は、地元新潟開催ということで、私もエンジン01のメンバーとして、泉田県知事、篠田新潟市長とともに講師として参加させていただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。

 「エンジン01文化戦略会議」とは、各分野の表現者・思考者たちが日本文化の更なる深まりと広がりを目的に参集したボランティア集団で、2001年に活動が開始されました。オープンカレッジは、日本の誇るべき従来の文化に加え、新しい文化が生まれ育つ土壌を築くための具体的な場として、全国各地で開催され、この新潟で六回目です。
 毎回、地域の人々と文化交流をし、新しい文化を探る趣旨で行われますが、今回のテーマは『笑い』。相次いで大きな地震の被害を受けた地域を元気づけたいということで、このテーマが決定しました。

 安価で価値ある講義が聞けることも手伝い、前売券の多くが発売まもなくから売り切れ、三日間の観客動員数はのべ約1万2千人にも及びました。当日の三日間の朱鷺メッセ会場は、講座をはしごする人でごった返し、またその賑わいもさることながら、熱心に聞き入り、心から笑い、そしてメモを取る姿がどの講義会場も多く見られました。私は、地元なので手前味噌にはなりますが、新潟の人たちの文化意識の高さに改めて驚くばかりでした。  もちろん講師の方々も同じような感想をお土産に持ち帰られたのではないかと思います。

 大会委員長を務める作家の林真理子さんは、閉会のご挨拶で、このオープンカレッジは、開催して種を蒔いたら終わり、というのではなく、地域でその種から新しい文化が芽生える活動を期待し、支援するものであるということを改めて熱く語られました。そして例として、先回開催の福島で、講座を受けた参加者の皆さんから自主的な文化活動が芽生え、エンジン02として発展し続けていることを挙げました。
これは、新潟の文化意識をもってすれば、この閉会を単なる文化イベントの「終わり」とせず、能動的な「始まり」にできる、という大きな期待でした。

 「『偶有性』を楽しもう。」

 これは、脳科学者の茂木健一郎先生がオープニングシンポジウムで話されたメッセージです。ここには、「人生には、予期せず起こりうること、つまり遇有性があり、だからわくわくして楽しい、だから感動がある。何が起こるかわからない人生だからからこそ、楽しもう。」という素敵な意味が込められていました。

 今回、人生の遇有性から巡り合った「エンジン01文化戦略会議」で新たな文化的スタートを切られた方々の、そのエネルギーは、近い将来必ずや新潟の新しい文化の潮流を創造していくことでしょう。

 私はそれを信じて今後も新潟の文化が秘める遇有性を積極的に楽しんでいこうと思います。

池田 弘