【コラム第27回】 新しい「学び」の場 東京キャンパス

 7月23日、事業創造大学院大学東京キャンパスで、セッションプログラム 「スポーツによっていかに地域を活性化するか」(2007年東京財団研究事業 『地域スポーツクラブを核とした地域の活性化に関する研究』) を行いました。スポーツビジネス研究の世界的第一人者であるインペリアル・カレッジ・ロンドンのスティファン・シマンスキー教授を招いての基調講演には、「新潟がスポーツによる地域活性化の世界先進地域である。」という興味深く有難いお話もあり、本学客員教授で早稲田大学大学院スポーツ科学研究科平田竹男教授コーディネートによるシマンスキー氏とのパネルディスカッションは大変充実しました。このプログラムは東京キャンパスの生徒のみならず、本学キャンパスにもインターネットを使ったテレビ会議システムにより同時配信され、約100名の学生、スポーツ関係者などが新潟で聴講しました。
 東京キャンパスで、大学院としてこのような価値あるプログラムを実施できたことにも満足しましたが、それを新潟に居ながらにして受講していただくことも出来、東京キャンパスから発信される様々な「学び」の新しい可能性を体感した一日となりました。

 この東京キャンパスは、事業創造大学院大学と新潟医療福祉大学のサテライトキャンパスとして、この春出来たJR東京駅と直結した超高層ビル「サピアタワー」の「大学街」に設置しました。「大学街」には、全国12の国立・私立の大学・大学院が入っています。(※8月から15校)
 事業創造大学院大学では、当初一般公開の講座のみを予定していましたが、正課授業も受講したいとの希望が多く寄せられたたことから、東京キャンパスで新たに学生を募集いたしました。現在、新潟市の本学で行われる講義を毎日18:30~21:40東京に同時配信しています。もちろん東京の学生たちの様子も本学に映し出され、授業の中での設問解答、質疑応答のほか、授業に関する学生の意見交換も両キャンパス間で双方向に積極的に展開されています。2年次に開始される事業計画書作成をする「演習」では、担当教員が本学・東京キャンパスのそれぞれに出向き、直接指導するので、本学で学ぶのと全く変わらず東京で学ぶことができるシステムになっています。
 東京キャンパスには、多様な背景を持つ学生がいます。例えば、東京の起業に身近で多く接している起業意欲に溢れる学生、すでに会社を起業し経営している学生、海外の大学・大学院に留学経験のある学生など。一方、本学には、首都に身をおいては体感できない「地方経済」の渦中で活躍している学生が多く真剣に学んでいます。環境の違う学生たちが、居住地をかえることなく、同一の授業を受講し、研究を深め、意見交換や交流が自由に行えることにはとても大きな意義があります。本学の建学の理念である「事業創造のスペシャリストの育成」すなわち「起業家の育成」や「企業内ベンチャー等として組織内で新事業を起業する人材の育成」をより強固に促進できる教育効果があるからです。何れ東京の学生からのよい刺激を受け起業した新潟の学生が、まだ起業風土が醸成されていない新潟を変えてくれるという期待も大きく、今後が楽しみです。
 東京キャンパスから提供されている事業創造大学院大学のもうひとつの「学び」の形、それが当初から期待の大きかった一般公開講座です。本学の持つ、教育・研究機能を広く社会に開放し、実際に役立つ学問、経験や実証に基づく学問が学べる講座として社会人対象の「エグゼクティブプログラム」を開講。第一弾の経済産業省IT経営百選選考委員会委員長 上村孝樹本学客員教授による「IT 経営講座」は大変好評を博しています。受講者は経営者および経営職者が多く、しかも東京だけでなく、全国各地から集まっていることから、活発な異業種交流も行われています。10月半ばには、本学とアドバイザリー契約を結んでいるアメリカ マサチューセッツ州のバブソン大学と連携した講座も実施予定です。今後も本学らしい有意義な公開講座を東京キャンパスから提案できるよう企画中です。
 
 一方、新潟医療福祉大学では、在京の非常勤講師による研究科修士課程の講義が東京キャンパスから本学にインターネット配信しています。保健・医療・福祉分野は、歴史が浅いこともあり、大学等に配置されている教員の絶対数が不足している現状がある中、著名な教員による質の高い希少な講義を新潟で享受することが可能になりました。今後、教育水準を上げていく一助になる手段として大いに活用していく見通しです。また、東京キャンパスは、「学び」の場としてだけでなく、就職活動の拠点、全国への情報発信拠点、また首都圏同窓会の拠点としても期待されており、今後充実していく予定です。ぜひともご期待下さい。

 先日、日本経済新聞に、インターネットでの遠隔教育を実施した大学・短期大学の学部・研究科の割合は2006年度16.5%、と02年度の24倍になったと掲載されていました。(調査:メディア教育開発センター 千葉市) 情報科学の発達により、学ぶことに場所を選ばない恵まれた教育環境が徐々に日本の高等教育機関でも整ってきているということです。場所を選ばないというのは、首都圏でなければ学べないという理由や地方に学校があるから学びに行けないという理由がなくなるということ、つまり、真に質の高い本物の教育だけが選ばれていく時代が来ているということです。私は、こうした時代の到来を30年教育事業に携わる中で待ち望んでいました。将来的には、今まで培ったNSGグループの質の高い教育内容を、全国、そして海外に住む多くの方々に提供するe-learningの拠点として東京キャンパスが、発展できるよう今後も可能性を追求していきたいと思っています。
 事業創造大学院大学・新潟医療福祉大学の新しい「学び」の場、東京キャンパスに今後もぜひご注目下さい。

池田 弘