【コラム第26回】 新潟医療福祉大学と大学院

 2007年春、新潟医療福祉大学では、大学院医療福祉学研究科に博士後期課程医療福祉学専攻を設置、修士課程既設の2専攻に健康科学専攻を加え3専攻になりました。2005年に設置された修士課程保健学専攻、社会福祉学専攻と合わせ、保健・医療・福祉分野の高度専門職者と研究者・教育者を養成する教育体系が完成に向け大きく前進したことになります。急速な少子高齢化で多様化したニーズにより、高度でより専門的な人材の育成は質的にも量的にも急務です。行政職員や最前線で活躍している専門職の社会人を再教育し、臨床や管理、政策立案などでリーダーシップを発揮できる人材や研究機関の研究者、そしてわが国ではまだ歴史が浅く不足している保健・医療・福祉の専門職者教育機関の教員を育成する意義と使命は大きいと思っております。
 新潟療福祉大学は、2001年4月、保健・医療・福祉分野の人材の必要性とQOLサポーターの育成という大学の理念に対して、県・市をはじめ地域経済界、そして地域の人々の多くの期待と賛同と協力をいただき開学致しました。現在、2025名(2007年5月1日現在)の学生が本学で学んでおり、うち新潟県外出身者が3割を占めます。より優れたQOLサポーターを育成するため、今年度、「医療技術学部」「社会福祉学部」の2学部体制から「健康科学部」を加えた3学部8学科体制へと再編しました。
 QOLとは、Quality of Life=生活の質という意味です。日本の生き方に対しての考えは、「いかに長く生きるか」から「いかによく生きるか」に、つまりQOLにこだわりを持つ考えに発展してきています。時代の進展とともに多様化するひとりひとりのQOL、それを支え高める手助けをするQOLサポーターは今後ますます必要とされるでしょう。
 座学の講義に加え、知識・技術を確かなものにしていくために、実際に対象者に接する実習も重要です。新潟リハビリテーション病院を始めとした関連の病院や施設、企業、プロスポーツ団体との連携・協力関係のもとで、充実した教育・研究活動が行われています。
 この5月には、アメリカ・カリフォルニア州立大学フレスノ校との学術交流締結も行いました。カリフォルニア州立大学は、4つの分校からなり、それぞれが巨大な敷地面積を持っているアメリカでも著名な大学で、理学療法学科は全米約250校中、トップテンに数えられる優秀な学科として知られています。今後、共同研究などを通した発展的な交流はもちろん、卒業生や在学生の留学も実績があることから、学生・研究者との相互交流を更に進めていきたいと考えています。
 今後も、21世紀の保健・医療・福祉の動向を見据えて、この分野の調和のとれた発展を促し、時代が求める優れたQOLサポーターを輩出する最先端の教育・研究機関を目指していきたいと思っております。

池田 弘