【コラム第25回】 SADO 伝統文化と環境福祉の専門学校

 新潟市から、日本海を越えジェットフォイルで1時間、佐渡はこれから夏にかけて最も美しい季節になります。佐渡は四季折々の豊かな自然形態から日本の縮図とも呼ばれてきました。日本で2番目に大きな島で、人口は現在約7万人ほど、有する工芸・芸能・文化は、京都の文化を受け継いできた歴史を持ち、いずれも大変趣深いです。近年は、環境の島・エコアイランドを目指した「佐渡市環境基本条例」の制定により、トキと共に住める美しい島づくりに取り組んでいます。意外と知られていないのが周辺日本海側地域と比較しても温暖であること、それは佐渡の南側にミカンの木が多く見られることからも窺えます。
 現在、NSGグループでは、24校目の専門学校として、この佐渡の島全体を教育フィールドとし、佐渡でなければ学べない伝統文化の継承、環境、観光、福祉を、佐渡が持つ自然環境や伝統文化を通して実践的に学んでいただける「SADO 伝統文化と環境福祉の専門学校(以下、略称SADO)」(認可申請予定)の開校を計画しています。
 今まで、当グループが地域に学校設立を進める際には、「地域活性化に寄与すること」、「地域の皆様に喜んで受け入れていただくこと」を強く念頭に置き、地元自治体や地元の皆様と連携しながら進めてまいりました。新潟県妙高市の全日本ウィンタースポーツ専門学校や国際アウトドア専門学校、新潟県聖籠町のJAPANサッカーカレッジなどがそのよい例です。いずれも学生が住まうことによる衣食住遊等による経済効果や、学生の若いエネルギーにより活気づく効果など、学校が設置されることによる地域活性に地元から大きな期待をしていただき、大歓迎されて設立、その後もよい形で地域に根付かせていただいていると自負しております。
 今回の「SADO」の場合も同様です。「SADO」は、若者の島外流出の不安を抱える離島振興を地元のニーズに即した高等教育で図ろうとする全国初のケースで、佐渡で二番目の高等教育機関として佐渡市に位置づけていただき、佐渡市による用地の無償貸与や市役所内プロジェクトチームの設置、地元企業によるインターンシップの受け入れや卒業生の採用のお申し出など、強力なバックアップ体勢をいただいております。まさに島を挙げてのご支援というべきで、いただいている信頼の大きさを考えると、30年新潟で教育事業に真摯に取り組んできた私立教育機関冥利に尽きることころであります。この感謝の意は、佐渡を活かし、佐渡に活かされ、佐渡に根付く学校創りに尽力することで応えたいと心から思うところです。
 5月15日に東京・丸の内の事業創造大学院大学東京キャンパスで行った設立の記者発表会には、高野宏一郎佐渡市長が同席して下さいました。また、ゲストとして佐渡出身の三井物産株式会社相談役であり新佐渡戦略会議委員長の池田正雄様、株式会社大庄 代表取締役社長 平辰様、そして元NHK広島放送局長で現在佐渡在住のジャーナリスト、加藤広文様が応援に駆けつけ、口々に佐渡のよさを語ってくださいました。私も佐渡の魅力については、ある程度知っていたつもりですが、平社長の「佐渡で水揚げされる魚の種類は全国有数だ。」という話を聞き、まだまだ知らない佐渡の魅力があることを改めて思い知らされました。この「SADO」の設立が未知の佐渡の魅力を全国に、そして世界に発信する一助になれば幸いです。
 さて、この「SADO」のキャッチフレーズの1つに「佐渡だから学べることがある。」というのがあります。この学校の企画案は佐渡出身の川上さんという女性職員が中心になって佐渡に何度も足を運び自治体や地元の方々と連携して提案してくれました。佐渡に生まれ育ち、佐渡をとことん知り尽くした彼女だからこそ、佐渡市の人々の心を動かし、佐渡を活かした、佐渡だから学べる学校創りの提案が出来たのだと思います。溢れんばかりの愛情が生み出した学科は5分野になります。
 佐渡は、環境問題の象徴「トキ」が放鳥を待つ「エコアイランド」、この島の環境をモデルに現場第一主義で地球環境対策に貢献できる人材を育てるのが環境マネジメント学科です。そして島内に32ヶ所を数える能舞台と800以上の寺社仏閣、また数多く点在する古民家など、歴史が育んできた建築の伝統技術を次世代へ伝えるため、これらを教材にして実践的な教育を行うのが伝統建築学科です。伝統文化学科では、金山で排出された土で制作する無名異焼や良質の竹林からの竹工といった工芸文化などにおける職人技を、従来の徒弟制度から解き放ち「誰でもが学べる」カリキュラムで構築。伝統を後世へ伝えていく職人や全国へ、全世界へ発信できるアーティストを育成していきます。また、日本人にとって懐かしい魅力凝縮の佐渡全体を小さな日本に見立て、観光資源を活用し、「まちプロデュース」を学ぶことで、いま日本が必要としている、地方を元気にでき、地域活性に取り組める人材を育成するのが、観光プロデュース学科です。美しい山河と変化に富んだ海岸線の見事な調和、棚田や古民家という日本の原風景。伝統的な佐渡おけさや鬼太鼓、人形芝居、薪能などの古来の文化・芸能。それに加え自然を活かしたダイビング、キャンプや森林浴などアクティブなレジャースポットにも恵まれている佐渡は教材となる観光資源にこと欠きません。そして最後は高齢化率の上昇が進む島内で「福祉の充実した島」を創ることに従事する人材育成のために地元の強いニーズで設置された介護福祉学科です。全国でも例のないマッサージ・リフレクソロジー・アロマセラピーをカリキュラムに導入しプラスアルファのスキルをゆったりと時間の流れる佐渡でじっくり学べます。
 この「SADO」という学校の魅力、また学校が教育フィールドにする佐渡という島の魅力をわかっていただくためには、まず佐渡に足を運んでいただいて、見て、聞いて、体験して、感じていただくのが一番だと思います。現地での、1DAYツアー、1泊2日体験ツアーも開催される予定です。学校説明会は、新潟県内はもとより、主要6都市札幌・東京・名古屋・大阪・広島・福岡 でも順次行っていく予定です。
 開校予定の2008年4月は、奇しくも佐渡ゆかりのトキを野生に放つ試みがスタートする、記念すべき年です。トキが大きく羽ばたくことを期待されているように私たちにも大きな期待がかかっていると実感しております。佐渡市と佐渡の皆様のご支援とご協力を得ながら精一杯取り組ませていただきますので、ぜひとも「SADO 伝統文化と環境福祉の専門学校」と新たな形での島振興に期待がかかる佐渡に今後も注目していただき、応援していただければと思います。

◆SADO 伝統文化と環境福祉の専門学校 (2008年4月開校予定 認可申請予定)            http://www.sado-nsg.com/

池田 弘