【コラム第18回】 挑戦-第1回安吾賞に思うこと

 9月4日 新潟市が創設した「安吾賞」の栄えある第1回受賞者の発表がありました。
 今年生誕100年を迎える新潟市出身の坂口安吾は、文学をはじめ多くの分野において何事にも一生懸命挑み続けた人として評価されています。
 安吾賞は、世俗の権威にとらわれずに本質を提示し、反骨と飽くなき挑戦者としての精神を発揮する「現代の安吾」に光を当てるものです。新潟市が安吾の精神を継承し、「挑戦者を応援する風土」であるということを全国に発信するということも目的にあります。
 選考委員長は、(財)日本総合研究所理事長で多摩大学名誉学長の野田 一夫氏、副委員長に作家 新井 満氏、委員として名前を連ねているのは、中央大学大学院教授猪口 孝氏、支え合いの地域づくりアドバイザー・『うちの実家』代表 河田 珪子氏、『安吾の会』世話人で新潟・市民映画館シネ・ウインド代表 齋藤 正行氏、IBMアジアパシフィック人事プログラム担当マネジャー古海 正子氏、そして写真家・エッセイストで坂口安吾のご長男である坂口 綱男氏です。私も末席に加えさせていただき喜んで参加しました。ほかにも全国から賛同してくださった多くの方々が、安吾賞の推薦人、賛同者として名を連ねてくださいました。現在、私はいろいろな挑戦者を支援する活動をしています。選考委員の一人として、全国レベルで大きな挑戦をしている方について議論し推薦させていただくことは、私自身のよい経験になると思いました。
 7月から募集が始まりましたが、全国から100件ほどの推薦があり、「現代の安吾」には、劇作家で演出家・俳優としても活躍している野田秀樹さんが選ばれました。野田さんは、文化庁芸術祭賞、読売演劇大賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けています。選考理由は、「人気絶頂のときに自分の劇団を解散し、ロンドンで酷評されても演劇に挑戦し続けた姿勢が安吾賞にふさわしい」ということです。第一線にいて新しい世界に飛び込むことも、結果がなかなか出なくても自分の信じた道を貫き通すことも、強い志がいります。そして今もなお挑戦し続けている野田氏の姿には、多くの人が元気をもらえることと思います。
 また、本市ゆかりの人に贈る新潟市特別賞には横田めぐみさんの両親、滋さん、早紀江さん夫妻が選ばれました。
 新潟市は、人口81万の本州日本海側最大の都市となり、来春本州日本海側初の政令指定都市へ移行を目指しています。より自発性・主体性を持った個性ある街づくりに向けて新たな取り組みをしている新潟市もまた挑戦者です。
 2008年に予定されている横浜市と共催の主要国首脳会議・サミット誘致もその挑戦の一つです。2008年は、横浜・新潟・函館・神戸・長崎の開港が定められた『安政の5か国条約』締結からちょうど150年目にあたります。開港都市で主要国がサミットを開催するということには、新たな国際関係を構築する契機なるということでとても大きな意義があります。サミット誘致は、「世界とともに育つ日本海政令市新潟」を目指す新潟にとって、これ以上ない舞台であり、安吾賞を創設した都市にふさわしい挑戦だと思います。
 この新潟市の安吾賞の存在が、日本中の挑戦をし続けがんばっている人への心強い道しるべになってくれればよいと思いますし、この賞が継続し続けることで挑戦する人を応援する風土がしっかりと新潟に根付いていけばよいと思っています。
 安吾賞の授与式は、10月15日新潟市民芸術文化会館りゅうとぴあで行われます。

安吾賞HPはこちらから→http://www.city.niigata.jp/info/bunka/ango/

池田 弘