【コラム第17回】 国際映像メディア専門学校

 私が理事長を務めるNSGグループの29番目の専門学校、国際映像メディア専門学校が来春の開校に向け準備を進めています。映画プロデュース科、映像クリエーター科、俳優科、声優科の4つの学科でスタートする予定です。
 このうち映画プロデュース科は照明、録音、カメラマンからシナリオ、監督、演出、プロデュースなどを学びます。そして映像クリエーター科は、CMやビデオクリップの制作・編集を軸にCG制作やCGと実写の合成法などの制作、さらにはネットで映像を流す手法などについて学びます。俳優科は演技を、声優科は吹き替え技術などを学びます。
 いずれも何らかの形で映像コンテンツに関わる仕事ですが、映像コンテンツ産業は大きな可能性を持った有望な産業です。
 経済産業省は、2005年2月の「コンテンツ産業の現状と課題」の中で、世界のコンテンツ産業の成長率は2006年の予測で6.5パーセント、世界のGDPよりも高い伸び率が見込まれるとしています。 そしてコンテンツ産業は新たなリーディングインダストリーとして日本の経済を牽引する可能性が大きいとしています。国も小泉首相のもと2003年に知的財産戦略本部とコンテンツ専門調査会を発足させ、本腰を入れています。
 中でも将来性が期待されているのがデジタルコンテンツ産業です。地上波デジタル放送がスタートしましたが、それに先駆け既にインターネットがデジタル市場の主役としての地位を占め始めています。
 デジタル化されたコンテンツの流通はインターネットにより大きく変わろうとしています。これまで映像コンテンツはDVDやビデオなどのパッケージを通しての流通でしたが、デジタル化されたデータがインターネット上で流通するようになっているのです。ブロードバンドの普及で、インターネットを使った映像コンテンツの発信は格段に安い費用でできるようになりました。
 こうした状況を受け、『インターネット上で映像を配信し課金する』というビジネスが再加熱し始めているようです。認可事業の放送とは違い、インターネットは誰でも無料で参入できます。インターネットは小さなサイズのビデオストリーミングがやっとだった5年くらい前とは全く異なるメディアに様変わりし、新たな映像ビジネス市場になろうとしています。
 コンテンツ制作もデンタル化で簡単になりました。映像コンテンツは比較的安価なデジタルビデオカメラで撮影し、高額な編集機を使わなくても、パソコン1台で編集することで制作できるようになりました。映画、テレビとマス媒体が主役だった映像コンテンツ産業は、作り手を拡大し誰もが発信できる時代になろうとしています。
 コンテンツ制作はより個人のクリエーターの能力が求められる時代になると思います。これからはこれまでのブランドが通用しない、多様化多品種少量的な世界になってゆく可能性が大きいのです。映画やテレビのような、どちらかと言えばプロダクトアウト的だった世界からマーケットインの世界へ移行してゆくとも言えるでしょう。
 その中で必要なのは、映像コンテンツの制作能力と共にCGの技術でありITの知識です。現状の映像クリエーターの中には、デジタル化に保守的な思考で自らのスタンスを固めてしまっている人も多いと聞きます。
 国際映像メディア専門学校では最新のデジタル編集機を駆使した授業を行い、Web時代にマッチしたコンセプトで学生を指導していきます。もはや、素人がDVD作品を作りWebストリーミングすら普通にこなしている時代です。ビデオテープ時代の発想から抜け出せないクリエーターは過去の人になってゆくでしょう。
 今後インターネットに起きる劇的な変化は、Web2.0と映像配信だといいます。そんな新しい時代にあって有為な人材を育成すべく来春の開校に向け、スタッフが最後の準備に追われています。

池田 弘