【コラム第78回】 矢野貴章選手のアルビレックス復帰

 先日新幹線で偶然、アルビレックス新潟に復帰した矢野貴章選手と、席が隣り合わせました。新幹線では時としてこんな嬉しい偶然があります。
 新潟までのおよそ2時間弱の道中、いろいろな事を話しました。その時の印象は、「試合に出たくてたまらない」という感じでした。そして、「このままでは終わらない」というもの凄いやる気を、彼から感じました。顔つきも明らかに違っています。
 実は矢野選手には、今回の帰国を機に、一度会ってゆっくりと話してみたいと思っていただけに、偶然のこの機会にはちょっと運命的なものすら感じました。そして、一般の組織運営や経営論にまで話題が及ぶ、良い2時間を持つ事ができました。
 その矢野選手、今回の復帰について、公式HPでこんなコメントをしています。

「海外への挑戦は自分自身の夢でもあったので、もっと挑戦し続けたい気持ちはありましたし、ギリギリまで悩みました。ただ、試合に出る事で自分を再生させたいという気持ちも強くなり、その機会を求めて日本へ戻ることを決めました。ドイツでの1年半、苦しい時期が長かったですが、それ以上に、貴重で素晴らしい経験ができました。」

 ヨーロッパに渡った選手のうち、FWとして成功した選手はほとんどおらず、頭に浮かぶのは高原選手くらいでしょうか。プレーした選手も少ないと思います。矢野選手にとって、ドイツでの事は良い経験になったはずです。なにしろ190センチを超える大きなディフエンダーと対峙したわけですから、ポジショニングやあたり負けしない強さなど、多くの面で意識の変化があったと思います。
 そしてその経験を生かし、強い体と精神でポストプレーをこなしてくれるようになれば、新潟にとっても再び大きな戦力になると思います。
 矢野選手が戻って来るアルビレックス、今シーズンのFWは、ブラジル人選手を含めて凄い競争になります。ガンバから平井選手も加入しました。まずは彼らとの競争に勝ち抜いてレギュラーの座を獲得する事が、矢野選手にとっての再スタートです。
 スピードと持久力は恐らく天下一品でしょう。あとは、機敏さと勝負強さが鍵でしょうか。今季のアルビレックスは、矢野選手の復活で大いに期待が持てると思います。ぜひ優勝争いに加わり、新潟で大いなるアルビフィーバーを巻き起こしてほしいものだと思います。
 そうすれば矢野選手にとっても、再び日本代表に招集されるチャンスもめぐって来るでしょう。戻ってきた矢野選手の活躍に大いに期待しています。

池田 弘