【コラム第86回】 新潟アルビレックスBCが独立リーグ日本一に

 プロ野球独立リーグの新潟アルビレックスBCが、BCリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップを3連勝で制し球団史上初のリーグ優勝を飾りました。また新潟は、「四国アイランドリーグplus」の覇者である香川と「グランドチャンピオンシップ」を戦い、3連勝で独立リーグ日本一に輝きました。
 選手やスタッフの皆さん、応援していただいたサポーターの皆さん、おめでとうございます。藤橋社長の歓びもいかばかりかと思います。今シーズンで退任する高津臣吾監督には感謝の気持ちでいっぱいです。いいチームに育て上げてくれました。
 今回の知らせを聞き、BCリーグの設立されてからこれまでのあれこれ、そしてリーグを育ててきた村山哲二代表の奮闘の日々が走馬灯のように蘇ってまいります。

 BCリーグ(ベースボール・チャレンジリーグ)は、2006年に設立された、国内二番目のプロ野球独立リーグです。発足当初のリーグの名称は「北信越ベースボールチャレンジリーグ」でした。新潟・富山・石川・長野の四県に本拠地を置く球団で組織され、リーグ戦は2007年に始まりました。
 2008年のシーズンに福井と群馬のチームが加わり、「ベースボールチャレンジリーグ」に名称を変更しました。当初は苦しい状態が続きましたが、2年前に運営会社の「株式会社ジャパン・ベースボールマーケティング」と6球団中3球団が黒字化し、ようやく経営が軌道に乗りつつあります。

 村山さんは前職では大手広告代理店の営業部長でした。彼は人もうらやむその職を捨てて、リーグの立ち上げにあたる決意をしてくれました。事業モデルも運営の理念も興行のスタイルも、すべてはゼロからのスタートでした。
 「野球を通じた地域活性化・地域貢献」をリーグの目的に掲げるBCリーグは、徹底的にファンに寄り添い地域との関わりを大切にするという姿勢を持っています。試合前には毎回イベントを開催しファンと触れ合い、地域の野球少年の指導を行います。また試合がない日にもユニフォームを着て、地域の警察と連携して挨拶運動を行ったり、小学生の下校時の交通マナー指導などのボランティア活動にも取り組んできました。

 そんな村山さんはリーグのあり方についてこんな風に語っています。
「私たちが一番大切にしているのは、NPBに選手を何人送り込むことができたかではありません。まったく知らない地域にきて、地域の人に支えながら数年間一生懸命野球をやって、引退したら地元の企業に入って、今度は地元の働き手として地域に貢献する。それが大切なことだし、そうありたいと思っています。」
 BCリーグを卒業した選手は、多くの地元企業に受け入れてもらっています。就職難が深刻化しているこの時代に、地元での就職を希望している選手のほとんどの希望がかなっているそうです。選手の礼儀正しい姿や人間性を見てくれた地元企業の社長さんたちが、ぜひうちにと勧誘してくれることも多いのだそうです。就職後も持ち前のバイタリティで働く選手たちの評判は、すこぶるいいそうです。「地域密着」を掲げ、人間を磨く事を掲げるBCリーグとはいかなる存在なのか、その一つの答えがそこにあると思います。
 新潟などの地方のメディアが取り上げるスポーツの記事やニュースもすっかり様変わりしました。今や新潟では各スポーツのアルビレックスを見ない日はないと言っていいくらいです。
 地域密着型のビジネスモデルを野球の分野で定着させた村山さん、彼の事を取り上げたNHKの番組がつい先日ありましたが、そこで見た村山さんは相変らずの熱い男でした。ぜひこれからも野球というスポーツに生まれた新たな世界「BCリーグ」を充実させ育てて行って欲しいと祈っております。

池田 弘